その抗生剤で大丈夫?

2013年11月28日

   獣医師会のホームページをご覧の皆さん、『CRE』をご存知ですか?
 CREとは『カルバペネム耐性腸内細菌科の菌』と言う意味で、抗生剤の切り札と言われるカルバペネムが効かない耐性菌のことです。掲載
 このCREが世界各国で急速に広がり『アメリカ疾病対策センター』は注意を呼び掛けています。
 日本の人医療では、まだCRE汚染は認められておらず、院内感染予防対策や抗生物質の適正使用といった基本を徹底すれば汚染は広がらないとしています。

 

 人類最初の抗生剤は、1928年にアオカビより生成したペニシリンと呼ばれる物質ですが、実用化まで10年以上の歳月が費やされました。ペニシリンの登場により、戦争中多くの命が救われました。

 ペニシリンが医療現場で多用されるようになると、ペニシリンに抵抗力を持つペニシリン耐性菌が出現するようになりました。その後、人類は、ペニシリン耐性菌に効果のある抗生剤を作り出し、ペニシリン耐性菌に勝つことができました。
   しかし、その後も新しい抗生剤に抵抗する菌が生まれ、その菌に対するさらに新しい抗生剤を生み出していきました。

細菌と抗生剤のいたちごっこは続き、最終的に抗生物質の無秩序な濫用が引き金となって、耐性菌の問題が表面化し、人医療上の大きな問題になってしまいました。

 人医療のお話だけではなく、獣医療でもこのような危険にさらされていることに警鐘を鳴らさなければなりません。
 動物における細菌感染症で一般的に認められる疾病は、皮膚に発生する膿皮症や外耳炎だと思われます。細菌感染症なのに抗生剤を投与していても改善方向に向かわない、あるいは悪化する症例が多くなってきています。

 

 抗生剤それぞれに①組織に入り込める量、②どれくらいで効果が無くなるか、③どこから排泄されるのか、が決まっています。
 ですから、獣医師さんから指示される適切な投薬量、投薬回数、投薬日数を守っていただきたいと思います。
 治らない細菌性疾患の場合、漫然と抗生物質を使用することをしないで、抗生物質感受性試験(細菌に対する抗生物質の能力を計る)をかかりつけの先生に実施してもらい、効果ありかつ副作用の出にくい薬剤を処方してもらいましょう。
 また、始めから細菌感染症が疑われる場合は、かかりつけの先生と相談し、抗生物質感受性試験を実施してから、最適な抗生物質を処方して治療し経過を観察することが、耐性菌を作り出さない大切かつ安全な方法であり、動物たちの体の負担軽減や飼い主の安全のためであると私たちは考えています。

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