小動物の診療時によく用いられる医療用語について

2019年1月29日

 獣医師が普段何気なく診療の時に使っている言葉の中には、飼い主さんにとっては分かりにくい専門用語があります。言葉そのものは簡単でも、日常生活で使う場合と意味が異なるものもあります。

そこで今回は、小動物診療の場でよく用いられる医療用語をやさしく解説しました。皆さんが動物病院を受診した時に参考にしていただければ幸いです。

ここに掲載した用語以外にも獣医師との会話の中でわかりにくい言葉や医療用語が出て来た時は、遠慮なくその意味をたずねてみてはいかがでしょうか。きっと、やさしく丁寧に答えてくれると思いますよ。

                        (五十音順)

1.    アナフィラキシーショック
   特定の物質がからだの中に入ることによって全身に過剰なアレルギー反応が起こり、
   短時間で急激に血液の循環がうまくいかなくなり、生命に危険が及ぶ状態になること。

2.    イレウス
   腸管の中が塞がったり狭くなったりして、食べたものやガスなどが通らなくなって
   いる状態腸閉塞のこと。

3.    インフォームドコンセント
   治療法などについて医師や獣医師から十分な説明を受け、
   それをよく理解した上での治療方針への同意。 

4.    ウイルス
   細菌よりもずっと小さく、普通の顕微鏡では見えない病原体。 

5.    MRI(エムアールアイ=磁気共鳴画像:じききょうめいがぞう)
   磁気を利用して、からだの中から必要な情報を拾い出し、
   コンピュータで画像にする検査。からだの輪切りの画像ですが、
   立体画像も合成できます。 

6.    炎症(えんしょう)
   外傷や感染を受けて、皮膚や組織が赤くなったり、腫れたり、熱感や痛みを伴う状態。

7.    黄疸(おうだん)
   肝臓や血液の異常のために、皮膚や白目の部分が黄色くなる状態。

8.    潰瘍(かいよう)
   皮膚や粘膜の表面がくずれ、できた傷が深くえぐれたようになった状態。 

9.    化学療法(かがくりょうほう)
   薬剤を使って病原体やがんを治療すること。 

10.寛解(かんかい)
   病気が一時的に落ち着ている状態。
   安定した状態を表しますが、“完治(かんち=完全に治る)”ではありません。

11.QOL(キューオーエル=クオリティーオブライフ)
   その人がこれでいいと思えるような生活の質を維持しようとする医療の考え方。 

12.狂犬病(きょうけんびょう)
   全ての哺乳類が感染し、発症するとほぼ100%死んでしまうウイルス病。 

13.血栓(けっせん)
   血管をふさいでしまう血液のかたまり。 

14.抗生剤(こうせいざい)
   細菌を退治する化学物質(抗生物質)から作られた薬。抗菌薬とも言います。 

15.誤嚥(ごえん)
   食べたり飲んだりしようとしたときに、飲食物や唾液が誤って食道ではなく
   気管に入ってしまうこと。
   または、異物を間違って飲んでしまうこと(誤食ともいう)。 

16.CT(シーティー=コンピュータ断層撮影)
   エックス線で撮影した情報を、コンピュータで再現・処理して画像にする検査。
   からだの輪切りの画像ですが、立体画像にも合成できます。

17.重篤(じゅうとく)
   病状が非常に重いこと。 

18.腫瘍(しゅよう)
   異常な細胞が自律的に増殖したもの。悪性腫瘍は癌(がん)のことであり、
   皮膚や内臓などの悪性腫瘍は癌腫(がんしゅ)、筋肉・骨・脂肪などの悪性腫瘍は
   肉腫(にくしゅ)と言います。
   また、腫瘍が塊(腫瘤:しゅりゅう)になったものをマスと呼ぶこともあります。

19.ショック状態(しょっくじょうたい)
   全身の血圧が下がり、生命の危険がある状態。
   急な衝撃で“びっくりすること”ではありません。 

20.浸潤(しんじゅん)
   がんの細胞が周囲に広がっていくこと。 

21.スケーリング
   歯石を除去する処置。 

22.ステロイド剤
   炎症をしずめたり、免疫の働きを弱めたりする薬。
   一般的には、副腎皮質ホルモン剤のこと。

23.ズーノーシス
   人間にも動物にも感染する病気。人獣共通感染症のこと。 

24.生検(せいけん)
   組織の一部を採取して、顕微鏡などで調べる検査。 

25.精査(せいさ)
   現在の状態について、詳しく調べること。 

26.セカンドオピニオン
   担当医とは別の医師や獣医師に意見を訊くこと。 

27.ターミナルケア
   最期まで快適に過ごせるようにするための看護や終末期医療および獣医療。

28.対症療法(たいしょうりょうほう)
   病気によって起きている症状を和らげる治療。
   “病気の原因を取り除くこと”ではありません。 

29.耐性(たいせい)
   細菌やウイルスなどが薬に対して抵抗力を持つようになり、薬が効かなくなること。 

30.DIC(ディーアイシー=播種性血管内凝固:はしゅせいけっかんないぎょうこ)
   血管の中で小さな血のかたまりができて、
   血を止める因子が使い果たされるために、血が止まりにくくなる危険な状態。 

31.転移(てんい)
   からだの離れた部分にがんが飛び火して広がること。 

32.頓服(とんぷく)
   症状が出た時だけ薬を飲むこと。

33.敗血症(はいけつしょう)
   血液中に入った細菌が全身に回り、重い症状に陥った病気。 

34.跛行(はこう)
   うまく歩けない状態。

35.病理検査(びょうりけんさ)
   採取した臓器や細胞を顕微鏡で観察し、どのような病気か診断するための検査。 

36.日和見感染(ひよりみかんせん)
   からだの抵抗力が落ちたために、
   普段は害のない細菌やウイルスなどによって感染してしまうこと。 

37.貧血(ひんけつ)
   血液中の赤血球が不足している状態。“ふらつき”や“めまい”とは違います。 

38.フィラリア
   蚊の媒介によって伝染する心臓の寄生虫。 

39.副作用(ふくさよう)
   薬によって起きる様々な作用のうち、望んでいる作用とは別の作用。 

40.ヘルニア
   からだの中の組織が、本来あるべき場所から飛び出してしまった状態。 

41.ポリープ
   皮膚や胃腸などの粘膜にできる、根元がくびれたきのこ状のできもの。 

42.予後(よご)
   病状についての今後の見通し。

 

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