犬にブドウ、レーズンはダメ!(ブドウ中毒にご注意を)

2008年10月24日

 

2004年アメリカの動物保護団体ASPCAのAnimal Poison Control Centerはブドウを食べた犬において腎不全の症例がみられるため、注意を喚起する報告をしています。
ブドウを食べたことが原因と思われる中毒症状は1999年から報告されていて、同所でのデータベースにおいて2003年から2004年にかけての140例では食べたブドウの形状は様々ですが、50頭が何らかの症状を呈し、7頭の犬が死亡しています。

症状としてはブドウを食べた後72時間以内に吐き気、下痢がみられ、食欲不振、腹痛や元気消失、脱水などの症状も併せて見られます。数日後には腎不全を呈し長期間の治療が必要になるものや死亡に至るものもあります。

どれだけの量のブドウを食べると腎機能に問題を起こすか検討されましたが、ブドウの量としては 動物の体重1Kgに対してブドウ32g、干しブドウで 体重1Kgに対して11〜30g以上と見られています。また、食べたブドウの形態については、生のもの、干しブドウなど色々な形態のブドウで症状が見られています。

ブドウを食べたことによる腎不全の原因ははっきりしていませんが、カビ毒(例えばオクラトキシン)による汚染、高濃度のビタミンD、または同じような化合物、殺虫剤による汚染、重金属、または他の環境の毒素、まだ見つかっていないブドウの毒素などが考えられます。

海外の事例としての報告であり、原因もはっきりしていません。しかし、小型犬などでは少量のブドウでもこのようなことが起こる可能性があるので、与えないに越したことは無いと考えられます。
また、ブドウを食べた後に下痢や嘔吐などの症状が見られた場合は早急に獣医師の診察を受けると同時に、ブドウを食べたことを伝える必要があります。

 

参考

ASPCA Press release: ASPCA Animal Poison Control Center Issues Nationwide Update: Raisins and Grapes Can Be Toxic To Dogs
Wikipedia: Grape and raisin toxicity in dogs
MERK Veterinary manual: Raisins/Grapes
AVMA ,Sharon Gwaltney-Brant, DVM, PhD et al ; J Am Vet Med Assoc 218[10]:1555-1556 May 15'01 Letter 0 Refs ; Renal Failure Associated with Ingestion of Grapes or Raisins in Dogs

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