猫の感覚器官の不思議

2017年1月26日

  感覚器官とは、光や音などのさまざまな刺激を感じるために、特別にできた体のつくりで、主なものに、目、耳、鼻、舌、皮膚、があります。それぞれ、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚を受け持っています。

 猫の感覚器官には、人から見ると、
 とても不思議に感じる猫固有の能力が、いくつも隠されています。

 

  夜でも良く見える

 猫の目は、頭の大きさの割に大きくて、黒目が、目の周囲まで全体に広がっています。
 黒目は、瞳孔とその周りの虹彩からなりますが、猫の場合、虹彩がオレンジ、グリーン、ブルーなどいろいろな色をしているので黒くはありません。虹彩は、瞳孔の大きさを変えて目に入る光の量を調整しています。猫の目が、大きくて黒目も全体に広がっているのは、夜行性である猫が、夜間、瞳孔を一杯に広げ、弱い光もしっかり取り込んで、良く見るためです。

 さらに、猫の目には、夜間、良く見るための仕組みがあります。猫の目は暗闇で光ります。これは、目の奥にあり光を感じる網膜の裏側が鏡のようになっていて、入った光がそこで反射するからです。この部位は、タペタムと言って、光を反射して網膜に届く光を増幅し、より良く見るために役立っています。

その他、猫の瞳孔が縦長の形をしているのは、草木に身を隠している時に、草木の縦方向の隙間から周りを見渡すのに都合が良いからです。また、猫は、光の三原色の赤、緑、青のうち、赤は見えにくいと考えられています。さらに、素早く動くものを見る動体視力は良いですが、緩慢な動きのものは、気づきにくいようです。

 

  耳の良さは自慢

 感覚器官のうち、猫が最も自慢できるのは、耳です。

猫は、人が聴くことができない高い音を聴くことができます。人が聴ける高音の限界は2万ヘルツで、これ以上の音は超音波と言われますが、猫は、この超音波をかなり広い範囲で聴くことができます。猫の獲物であるげっ歯類が超音波の声で鳴くため、それを聴き取ることができるように、聴力が発達したと考えられます。

 また、猫の耳は、まっすぐ上に立っていて、ちょうどパラボナアンテナのようです。猫は、この耳を前後左右に器用に動かして、音を集め、音源の位置をかなり正確に捉えることができると言われています。

 猫の耳には、他にも優れた働きがあります。猫は、内耳にある平衡感覚をつかさどる前庭(ぜんてい)と言う器官が非常に発達しているため、アクロバット的な運動を楽々とこなすことができます。

 

  初対面の人は まずにおいで確認

 猫の嗅覚は、さすがに犬にはかないませんが、人よりは遥かに良いです。

 目の開いていない子猫は、においを頼りに行動します。成猫になると、テリトリーをにおいで示します。初対面の人や目新しいものに出会った時、まず、においを嗅いで様子を伺います。食べ物も、食べられるかどうか、おいしいかどうか、味よりもにおいで判断します。

 性行動に関係するにおいは、いつも使う鼻とは別なところで嗅いでいます。それは、上あごの門歯のすぐ後ろにある鋤鼻器(じょびき)と言うところで、ここでにおいを嗅ぐときは門歯をむき出して、フレーメンと呼ばれる独特の表情をします。

 また、猫は、鼻で、ものの温度を計っています。ものに鼻を近づけて、熱いか冷たいかを判断しているのです。「猫舌」とは言いますが、猫は、舌よりも鼻で、熱さをみているのです。

                                                             

  甘いものには興味なし

 肉食の猫は、もともと穀物などの炭水化物を食べませんので、同じ炭水化物の砂糖などの甘いものにも興味がありません。猫の舌は、もともと甘味をあまり感じないようです。一方、苦いものや酸っぱいものは大の苦手です。

 

皮膚  立派なヒゲの役割は?

 皮膚感覚の中では、特に、ヒゲの持つ触覚が発達しています。ヒゲは、触毛とも言われ、その毛根部にはたくさんの神経が集中しています。暗闇でも、物にぶつからないで上手に歩けるのはヒゲのおかげです。狭いところを通り抜けられるかどうかもヒゲで判断しています。

 また、ヒゲは気流を感じています。獲物のにおいがした時に、猫は、ヒゲで気流を知覚し、獲物の居場所を把握すると言われています。

 

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