コロナ禍での動物との生活を考えて

2021年7月5日

 いわゆるコロナ禍が始まり、1年以上が経過しました。
 その中で、在宅時間が長くなった事や気持ちの変化などにより、人々のライフスタイルも少しずつ変わって来ていると言われています。
 その1つとして、コロナ禍をきっかけに、動物との生活を始めようと考える方が増えました。実際に動物の需要の高まりに応じて、ペットショップでの動物の価格が高騰していると聞きます。

 一方、生活や気持ちの変化によって、動物との生活を始めてみたものの、「期待していたこと?」や「想像していたこと?」とは違っていたせいか、動物との生活を始めても、直ぐに動物を手放す人が多いということもあるようです。

 また、コロナ禍での様々な影響により、動物との生活を続けていきたいものの、経済的困窮によって、動物を手放す人も増えています。

 さらに、コロナ禍の影響として、従来行われていた「犬猫の譲渡会」などが、コロナ感染の拡大防止のために開催が見送られている所が増えています。

 以上のことから、今後懸念される問題として、人と生活していた動物が様々な事情によって手放されてしまうことや、従来の保護施設からの譲渡動物の減少により、結果的に行き場の無くなった動物が増えてしまうということです。

 ここで「動物と生活をする」ということを改めて考えてみましょう。

 動物と一緒に過ごすことでそれまでの生活には無かった楽しさがあったり、癒やされたり、その他かけがえのない時間を過ごすことが出来ると考えられます。
 確かに、想像していたよりも大変な部分は多少なりともありますが、一緒に生活する人の考え方や、事前にある程度準備することで、動物と生活する事をより豊かにも出来ると考えられます。
 そのために、次のことを、実際に動物と一緒に生活する前に考えてみて下さい。

・ 一緒に生活をする動物の世話をするための時間がどれ位必要なのか?
・ 一緒に生活を希望する動物の性質や特性についてどれ位知っているか?
・ 一緒に生活する動物にとって必要な生活スペースが十分にあるか?
・ 食事を始めとする日常的に必要な費用はどれ位なのか?
・ 病気の予防や治療にはどれ位の費用が必要なのか?

 ここに上げたことは、かなり大雑把な内容かもしれません。
 ただ、事前に考えて頂きたい、もしくはあらかじめ考えておく必要のある事柄です。

 いざ一緒に生活を始めてから、「こんなはずじゃなかった」「考えてなかった」ということにならないために参考にして下さい。

 近年、全国の動物保護センター等で、不幸にも殺処分となる動物の数が、行政を始め多くの方々の努力により、減少してきています。

 コロナ感染の問題を機に、不幸な動物の数が再び増加しないことを切に願います。

 最後にそれぞれの人がライフスタイルや事情をよく考えた上で、動物と一緒に生活をすることを考えて頂けると、人も動物もより豊かで幸せな時間を過ごせると考えられます。

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