家庭でできるノロウイルス対策

2019年1月29日

 ここ数年、ノロウイルスの食中毒や感染症が大流行しています。

 流行期間中は、学校や職場など、いたるところで感染し、気が付かないうちに家族に移してしまう危険があります。

  ノロウイルスは、一度感染した人でも繰り返し感染する可能性があり、はしかや水疱瘡のように、ワクチンによる予防ができません。

 正しい知識の習得と、適切な手洗いや消毒などの予防法を身に着け、皆さんのご家庭からノロウイルスを追放しましょう。

 

〇ノロウイルスの特徴

 ・大きさ30~40nm(ナノメートル=10億分の1メートル)で、
  人の腸の細胞のみで増殖します。

 ・10~100個程度の少ないウイルスでも感染します。

 ・感染してから1~2日後に発症し、激しい下痢、吐き気、おう吐、
  腹痛、発熱などの症状が出ます。

 ・症状が治まってもしばらくは便からウイルスが排出されます。

 ・感染しても、症状が出ないままウイルスを排出する場合もあります。

 ・アルコール消毒はほとんど効果がありません。

 

○ノロウイルスの感染経路

 ノロウイルス食中毒の原因は、感染した調理者が食品を汚染したことに
 よるものが8割を占めています。

 また、カキなどの二枚貝は体内にノロウイルスを取り込み、
 貯め込む性質があるため、加熱不十分のまま食べると食中毒の原因となります。

 さらに、患者の吐物や排泄物を処理した後の消毒が不十分だった場合には、
 感染力を持ったウイルスが拡散し、
 その場に居合わせた人が感染してしまうこともあります。

 

○ノロウイルス予防の4原則

①つけない
 ノロウイルス予防には、手洗いが重要です。
 帰宅した時だけでなく、調理を始める前、食卓に着く前などのタイミングで
 十分な手洗いを行いましょう。
 「石けんを使って洗い、流水で十分にすすぐ」を2回繰り返すと、
 ウイルス除去に効果的です。
 また、カキなどの二枚貝を調理する場合は、
 ドリップやはね水等で他の食品を汚染しないように注意しましょう。

②持ち込まない
 加熱不足の危険食材を食べないようにしましょう。
 ノロウイルスの感染を疑った時には、無理せず学校や会社をお休みし、
 医療機関を受診しましょう。

③拡げない
 家庭内では、トイレが最大の汚染源となります。
 患者がいない場合でも、定期的な清掃と消毒に努めましょう。
 消毒薬は、台所用塩素系漂白剤を利用できます。

 [台所塩素系漂白剤(5%次亜塩素酸ナトリウム)を用いた消毒薬の作り方]
 ・おう吐物等の処理:0.1%(1,000ppm) 2Lのペットボトル1本の水に40mL
  ※使い捨ての手袋、マスクなどを使用し、作業後は手洗い・うがいをしてください。
 ・調理器具、衣類等の処理:0.02%(200ppm) 2Lのペットボトル1本の水に8mL

④やっつける
 調理の際は、中まで十分に火が通っているか確認しましょう。
 食品の中心温度が85~90℃で90秒以上の加熱で、ノロウイルスは死滅します。
 また、生食用野菜には次亜塩素酸ナトリウム等での消毒が有効です。
 0.02%(200ppm)で5分間又は0.01%(100ppm)で10分間の漬け置き後、
 十分なすすぎ洗いをしてください。

※詳しくは、リーフレットをご覧ください。

①知って防ごう ノロウイルス食中毒

http://www.pref.saitama.lg.jp/a0708/kensyu-koza-panf/panf/documents/28noro.pdf

②ノロウイルス予防方法(コバトン食の安心情報平成29年12月号)

http://www.pref.saitama.lg.jp/a0708/kensyu-koza-panf/ansin-joho/documents/anshin29-12.pdf

③食中毒予防啓発パンフレット「食中毒追放計画2018」

http://www.pref.saitama.lg.jp/a0708/kensyu-koza-panf/panf/documents/syokuchudokutsuihokeikaku2018.pdf

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