猫の認知症(高齢性認知機能不全症)について

2022年8月3日

老齢のねこちゃん(およそ10歳以上)で、次の項目に当てはまる事はありますか?

・今までなかったような鳴き方をしたり、鳴くことが増えた
・いつも寝ている時間に寝ないでウロウロしている事が多い
・性格が変わったように感じる
・トイレ以外の場所で排泄する事がある
・部屋の隅や家具の間など、狭いところでじっとしている
・食器の位置を変えても、以前の場所で食事を待っている
・物音などの刺激に対して、敏感に反応する事が増えた
・歩き方が変わった気がする
・他にも今までと違った事で、気になる事がある

以上の中で、1つでも当てはまる事があれば、何かしら身体の変化が出ているかもしれません。

老齢期なので老化に伴う身体の変化の事もありますが、「年を取っただけ」と思っていたら、実は隠れた病気の症状かもしれません。
あるいは、認知症になっている事も考えられます。

一見、老化と思っていた事が、次の様な病気の徴候や症状である事があります。
例えば、関節炎や脊椎症、病気による視覚の低下、膀胱炎、心臓病、認知症以外の脳神経の病気、ホルモン異常、等々、様々な病気の可能性があります。

犬や猫の認知症は、何か特別な検査だけで分かるものではありません。
認知症を疑った場合でも、まずは認知症以外に何か身体に異常がないか?
何か他に病気は無いか?を確認します。
その他に、家で過ごしている時の様子を、上記以外にも細かくお伺いして、総合的に診断します。
また、認知症以外の病気と、認知症が重なって起こっている場合も有ります。

「年を取ったせいだな」と思っていても、身体に病的な異常があれば、その病気に応じた治療や対処が必要になります。

特に猫の場合、認知症に対して環境の見直しが重要です。

環境を考える場合、普段の生活の様子をできるだけ細かくお伺いした上で、改善点を考えて行きます。
環境の見直しは、特別なお薬以上に重要な場合もあります。

以上の事から、何か少しでも気になる事があれば、まずはかかりつけの動物病院にご相談頂く事をお勧めします。

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