特定化学物質取り扱いの注意

滅菌作業に使用されるエチレンオキシドは、別名酸化エチレンとも呼ばれる無色のガスで、目を刺激したり吸入により吐き気を起こすだけでなく、人に対する発がん性があることから労働安全衛生法令により規制されており、その取扱いには十分に注意する必要があります。(厚生労働省労働基準局安全衛生部、平成13年7月)

1.規制対象となる滅菌作業エチレンオキシド及びエチレンオキシドを1%以上含む滅菌用ガスによる滅菌作業です。

2.小型の滅菌器におけるばく露防止措置内部に人が立ち入ることができない構造の小型の滅菌器を用いる作業では、一定の性能を有する局所排気装置を設置するか、エアレーションを行う設備を備えたものを用いて次の(1)から(3)の措置を講じなければなりません。(以下略)

3.大型の滅菌設備におけるばく露防止措置
(以下略)

4.漏洩防止措置
(以下略)

5.作業主任者の選任
滅菌作業については、有資格者のうちから特定化学物質等作業主任者を選任しなければなりません。この資格は、特定化学物質等作業主任者講習を修了することにより取得できます。作業主任者の選任は、平成15年5月1日以降の作業について行う必要があります。

6.作業環境測定
滅菌作業を行う屋内作業場では、6月以内ごとに1回、作業環境測定士による作業環境測定を行わなければなりません。作業環境測定は、作業環境測定機関に委託して実施することもできます。この測定は、平成14年5月1日以降6月以内ごとに行う必要があります。

7.特定業務従事者健康診断
エチレンオキシドを用いて行う滅菌作業に従事する労働者を対象として、配置換え及びその後6月以内ごとに1回、定期に、一般健康診断を行わなければなりません。この健康診断の項目、結果の記録、事後措置等については、すべての労働者に義務付けられている1年以内ごとの一般健康診断の場合と同じです。

8.名称等の表示
平成13年11月1日以降に充填されたエチレンオキシドガスボンベ等の容器を購入するときは、その容器に内容物の名称、成分及びその含有量、人体に及ぼす作用、貯蔵又は取扱い上の注意、表示をする者の氏名(法人の名称)及び住所が表示されていることを確認してください。また、エチレンオキシドに係る化学物質等安全データシート(MSDS)も添付される必要があります。

9.ボンベの交換について
屋内でのエチレンオキシドガスボンベの交換のような臨時の作業においても、有機ガス用防毒マスク等を使用し、エチレンオキシドによるばく露を防止しなければなりません。

10.その他
滅菌終了後においても、滅菌物の材質や大きさによっては、滅菌した物に吸着したエチレンオキシドが発散することがあるので、必要に応じて、専用のブース内で一定時間保管することにより吸着したエチレンオキシドを発散させて排気するよう努めましょう。また、エアレーション終了後に滅菌設備内に長時間放置してある滅菌物を取り出す場合には、吸着したエチレンオキシドが滅菌設備内に発散しているおそれがあることから、再びエアレーションを行う等により滅菌設備内に残留するエチレンオキシドを排出することも重要です。

*特定化学物質等作業主任者講習は埼玉労働基準協会連合会のホームページをご参照下さい。