かゆいかゆい 疥癬(かいせん)

2013年7月10日

 疥癬とは皮膚の中にヒゼンダニ(疥癬虫)というダニが寄生する病気で、非常に強いかゆみを示します。同居している動物に感染することがあり、人を刺すこともあります。


 犬では Sarcoptes scabiei canis というダニの寄生で起こります。感染犬と接触のある人や他の動物にも感染することがあり、これらのダニは生涯、犬の体で過ごします。雌は皮膚にトンネルを掘り卵を産卵します。
 疥癬は接触により容易に動物間で広がります。全ての犬が犬疥癬のダニに感染した時に症状を示すわけではありませんが、通常は突然強い痒みが起こり、自分で引っ掻いたり噛んだりするため皮膚を傷つけ、そこに二次感染を起こすことがあります。傷は肘、肢、耳、胸、腹部に現れ、体全体に広がります。
 
  猫では猫小穿孔ヒゼンダニ Notoederes cati の寄生で起こりますが、このダニの生活環はヒゼンダニに極めてよく似ています。猫小穿孔ヒゼンダニは激しい痒みを生じ、皮膚の病変は耳、頭部、頸部に現れ体全体に拡大します。

 動物病院では皮膚を掻爬してダニを検出することで診断し治療しますが、定期的にシャンプーやグルーミングを充分に行っている場合は、かゆみなどの症状が認められるにもかかわらず、ダニを検出することが困難な場合もあり、もし、ダニが検出されない場合でも症状が疥癬を疑わせる場合には、試験的治療が行われる場合があります。

 疥癬は非常に伝染力が強く、動物の異なる種間や人にも広がることがあります。また、野生動物の間での蔓延も問題となっており、野生動物から犬、犬から野生動物といった感染も考えられることから、一部の国立公園などでは犬の立ち入りを禁止しているところもあります。

 人への感染はしばしば見られますが、これは飼い主が感染している犬との接触の度合いによって異なります。人での症状は丘疹や掻痒性痂皮が腕、脚、腹部に出ます。犬のヒゼンダニは人の皮膚では繁殖することができないため、感染している犬を治療することで症状は急速に消失します。人のヒゼンダニ症 Sarcoptes scabiei var. hominis とは異なり、人の皮膚ではトンネルを形成しません。

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