暑い季節、熱中症にご注意下さい

2007年8月29日

 

○熱中症の原因

人医の定義では、熱中症とは「暑熱環境にさらされる、あるいは運動などによって体の中でたくさんの熱を作る状態になった者が発症し、体温を維持するための生理的な反応より生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの連続的な病態」とされています。
動物の場合は、夏季に車の中へ放置されたり、炎天下における運動などで起こります。また晴天時の海岸などへの長時間連れ出しや、家での動物だけの留守番で、窓を閉め切った環境での換気不足や、エアコン作動中でも十分な温度調節ができず、熱中症に至る危険があるようです。
では、どのような動物が熱中症になりやすいでしょうか。犬の場合、パグ、フレンチブルドック、シーズーなどの短頭種は、抵抗力が弱いようです。また、太りすぎや高齢犬、心臓病、気管の病気などがある場合には、体内の熱を発散しづらいために、熱中症になりやすいので注意が必要です。
また、一般に猫は熱中症に強いと言われていますが、程度の問題もありますし、チンチラ、ペルシャなど、やはり短頭種で長毛の猫には十分な注意が必要でしょう。

 

○熱中症の症状

飼い主さんが気づいた時(帰宅時など)には、すでに症状がかなり進行している事が多く、動物は呼吸が異常に早く、すでに体温は直腸温で40℃を超えている事があります。このような場合起立不能に陥っていたり、意識を失っている事も珍しくありません。発見が遅れれば、心肺停止から死に至ります。
また運よく助かっても、意識を失ったまま脳障害が改善されず、後に障害を残す事もあります。これは、高温にさらされたために中枢神経系や循環器系に重い変化が起きてしまうためで、具体的には、大脳皮質の浮腫、神経細胞の破壊、脱水による腎機能の停止、全身性の血栓形成などが原因でおこります。

 

○熱中症の治療

取りあえずは、冷水で濡らしたバスタオルと氷、又は保冷財、アイスノンなどで全身、特に胸部、股間や首筋を濡らして冷やし、体温をできるだけ早くに下げてあげることが大事です。熱中症は一刻を争う緊急疾患です。一刻も早く動物病院を受診しましょう。なお、飼い主さんはこのような状況では、気が動転していることが多いと思いますが、病院に行く前に、事前に電話で状況を知らせておくと、病院側はすぐに対応できるように準備ができますので、是非冷静に対応してください。

 

○熱中症を予防するには

炎天下の車に放置したり、炎天下の屋外で無理な運動をさせることは、大変危険です。また室内で留守番をさせる場合は少し寒いかな?と思うくらいの温度にエアコンを設定し、できれば風通し良くしておきましょう。窓が開けられなければ、涼しい部屋のドアを少し開けておき、寒くなったり暑くなったりした時に、動物が自由に出入り出来るようにしておくと良いでしょう。戸外においては、風通しが良く日陰がある場所につないでおきます。
また新鮮な飲み水を何ヶ所かに分けて十分に与えておく事はとても大事な事です。
最後に、私たちの経験では一般の飼い主の方が「まだまだ熱中症にはならないだろう。」と考えてしまう、5月6月にも熱中症の動物を診る事が多い、という事実を知っておいて下さい。

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