犬のキシリトール中毒に注意!!

2007年6月29日

 

○キシリトールとは

キシリトールは「糖アルコール」という物質の一種です。砂糖のかわりに甘味料としてお菓子やお料理に使われています。

○動物種によるキシリトールに対する反応

キシリトールに対する反応は人と犬では違います。

人も動物も食べ物を食べると、これを消化吸収してブドウ糖として体内に取り込みます。この時体内のブドウ糖、特に血液の中のブドウ糖の濃度(血糖といいます)が高くなり過ぎないように、インスリンというホルモンが出て来て調節します。

人の場合はキシリトールはこのインスリンを放出させる力がありません。この事から糖尿病の人の甘味料として使われているのですが、犬の場合は人の場合と逆で、キシリトールはインスリンを放出させる力がとても強いのです。放出されたインスリンは血糖を低下させ、血糖の低下は、程度によりますが、意識の低下、脱力、昏睡、けいれん、さらには肝障害をおこす可能性があります。犬のキシリトールの毒性はこの低血糖によっておこります。

なお、猫に対する影響は、わかっていません。

○どれくらいのキシリトールを食べると中毒をおこすのか?

ビーグル犬への長期の投与試験では、体重1kgあたり約1.3gのキシリトール(犬の体重が10kgとすると約13gのキシリトール)を食事といっしょに2年間毎日食べても何の影響も出ませんでした。投与量を体重1kgあたり約2.7g(犬の体重が10kgとすると約27g)まで増やすと肝障害を示す指標が上昇しました。この試験ではキシリトールといっしょに食事が与えられています。食事は体内に吸収されてブドウ糖のもとになります。

一方、2006年にアメリカの犬の中毒情報センターからキシリトールの犬への毒性が報告されました。8頭の犬の中毒例のうち5頭が死亡しています。どれくらいの量を食べると中毒をおこすのか?この報告をした先生は体重10kgの犬で1gのキシリトールを食べた場合でも治療が必要と話しました。

この二つの例において、中毒をおこす用量は随分違っています。キシリトールによっておこされる低血糖はブドウ糖のもとになる食事が同時に与えられていると起こりにくいようです。逆にいうと単独でキシリトールを食べた場合、食べた量が少量でも危険だと考えられます。一般的なキシリトール入りのガムには1粒に約0.6gのキシリトールが入っています。2粒のキシリトールガムでもう1.2gです。中毒を起こす用量や条件などはまだはっきりしませんが、犬にキシリトールは食べさせない方が良いでしょう。

○キシリトールを食べてしまったら

中毒をおこす場合は、殆どが30分以内に症状が出ます。低血糖の症状である意識の低下、脱力、昏睡、けいれんなどがおこったら、速やかに獣医師の診察を受けて下さい。症状が出ていない場合は、食事や砂糖の入ったおやつなどを与えておくのも良いでしょう。心配な場合はやはり獣医師の診察を受けてください。

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