猫の特発性膀胱炎(とくはつせいぼうこうえん)について

2019年8月7日


猫の排尿異常(猫下部尿路疾患・FLUTD)には主に以下の症状、原因があります。

 ◎症状
・血尿(尿に血が混じる)
・有痛性排尿困難(スムーズに排尿できない)
・不適切な場所での排尿(トイレ以外の場所で排尿)
・頻尿(何回も排尿する)
・尿道閉塞(何らかの原因で尿道がふさがり、尿が出にくい、または出ない) 

◎原因
・感染症(病原体の感染)
・尿石症(尿中の石)
・尿道栓子(尿に溶けないもの(細胞、血球、粘液など)が固まり尿道をふさぐ)
・その他(神経、医原性、外傷、解剖学的異常、腫瘍など)
・特発性(原因不明) 

 
 猫の排尿異常の約6割は 特発性膀胱炎 が占めるとの報告があります。

 なんと6割の膀胱炎が原因不明なのです!というのは言い過ぎで、
原因が完全に明らかになっていない、メカニズムが複雑、証明するのが難しい、
などの理由で特発性という言葉が昔から今に至るまで使われているようです。

 しかし、様々な研究や統計により ストレス が特発性膀胱炎の発症・悪化に
関与している可能性が示唆されています(説明は長くなるので割愛させていただきます)。

 特発性膀胱炎をおこしやすい猫の特徴をいくつか挙げてみます。

・去勢、避妊済の猫
・室内飼育
・トイレの問題(掃除、数、場所、形、中身などが適していない)
・主な食事がドライフード
・肥満
・運動不足
・多頭飼育
・2~7歳齢の猫(それ以外の歳でもなることあり)
・飲水量が少ない
・生活環境の変化(例えば引っ越しなど)
・臆病、神経質

 現段階では有用な検査や特効薬が見つかっていません。症状が悪化すると
尿道閉塞や腎不全などを併発してしまうこともあります。
 理解の難しい病気ですが、ストレスの軽減は有効かつ大事な治療法です。

 猫の個性、飼育環境は様々です。それぞれのケースで、適したと思われる
ストレス対策をできる範囲で、あきらめずに、根気よく続けることが大切です。
 また、ストレスの大小だけではなく、猫の感受性(ストレスを感じやすい)も要因と
なりますので、総合的に対策を探していきましょう。


 動物病院側としては、有用で親身なアドバイスが提供できるように努力をしています。

 
トピックスのバックナンバー
・猫のトイレ以外での困った排泄について~解決に向けてのチェックポイント~
・猫がリラックスして過ごすために
も参考になると思います。

<参考書籍>
猫の診療指針 Part1 緑書房
伴侶動物治療指針 Vol.2 緑書房
CAP 2017年10月号 緑書房

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