水の飲み過ぎは病気のサインかもしれません!

2015年8月21日

  まだしばらく厳しい暑さが続きそうですね。ワンちゃん、ネコちゃんはヒトのように
効率よく体を冷やすための汗腺が発達していないので、暑くなると息づかいがあらくなり、
水をよく飲むようになります。

 でも注意して下さい。暑くもないのにたくさん水を飲むようになったり、いつもと比べて
おしっこの量が多くなったりしていませんか? 

 このような現象を多飲・多尿といいます。
 多飲はほとんどの場合、多尿が原因で起こります。多飲・多尿が続く場合は何らかの病気が潜んでいる可能性がありますので、おかしいと感じたら、まず、一日(24時間)の飲み水の摂取量を3日間ほど量ってみてください。一般に、一日(24時間)で体重1kgあたり100mlを超える場合は異常と判断します。いつもこの基準を超える場合は早めに獣医師に相談してください。

☆ 一日あたりの正常な水摂取量の目安

     犬:体重1kgあたり20〜90ml
     猫:体重1kgあたり 0〜45ml(食事内容による)

    犬の場合は、一日の量が体重1kgあたり100mlを超えたら、
    猫の場合は、体重にかかわらず250mlを超えたら多飲と考えます。

☆ 一日あたりの正常な尿量の目安

     犬:体重1kgあたり20〜45ml
        猫:体重1kgあたり20〜40ml

    犬猫とも、一日の量が体重1kgあたり60mlを超えたら多尿と考えます。 

☆ 多飲・多尿の主な原因

原 因

特 徴

1.糖尿病

中高齢の犬、猫に多い。

2.副腎皮質機能亢進症

 (クッシング症候群)

中高齢の犬に多い。猫ではまれ。

3.副腎皮質機能低下症

 (アジソン病)

若年〜壮年のメス犬に多い。猫ではまれ。

4.子宮蓄膿症(メス)

犬、猫ともに見られるが、中高齢の犬に多い。

5.腎疾患

急性・慢性腎不全、腎盂腎炎、ファンコニ症候群など。高齢猫の慢性腎不全が多い。

6.甲状腺機能亢進症

中高齢の猫に多い。犬ではまれ。

7.肝不全

犬、猫の肝硬変、肝性脳症、猫の胆管肝炎など。

8.原発性アルドステロン症

犬、猫ともにまれな病気。副腎の腫瘍が主因。

9.褐色細胞腫

犬、猫ともにまれな病気。副腎の腫瘍が原因。

10.高カルシウム血症

悪性腫瘍随伴症として、原発性副甲状腺機能亢進症などで起こる。いずれも猫より犬に多い。

11.尿崩症

犬、猫ともにまれな病気。

12.心因性多飲

犬で不安などの精神的ストレスで起こる。

13.薬の使用

ステロイド剤、利尿剤など。

注)これらの病気のなかには、必ずしも多飲多尿を示さない場合もあります。

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