馬刺し「馬肉の生食」による食中毒

2011年12月10日

「馬刺し食中毒で営業停止 熊本、寄生虫原因(MSN産経ニュース 2011.9.14 )」
「馬刺しで食中毒2例目 非冷凍処理が要因 熊本に困惑広がる(西日本新聞 2011.9.17 )」

 馬刺しを食べると、食後4~8時間程度で、下痢、嘔吐等の胃腸炎症状を起こすが、速やかに回復する食中毒の原因がわかりました。(厚生労働省 2011.6.17 ) 。馬に寄生していたSarcocystis fayeri(サルコシスティス フェアリー)が原因です。

サルコシスティスは、肉胞子虫(にくほうしちゅう、学名:Sarcocystis)という原虫の一種で住肉胞子虫やザルコシスティスなどとも呼ばれています。その中の一種、S. fayeri は馬を中間宿主、イヌ科動物を終宿主とします。 

S. fayeri の生活環

【 終宿主・イヌ科 】(腸粘膜上皮細胞に侵入→有性生殖→スポロシスト)→糞便とともに環境に拡散→【 中間宿主・馬 】(スポロシスト→筋肉内にシスト形成)→【 終宿主・イヌ科 】へ 

馬刺しが原因の食中毒は、多数のS.fayeri のシストが寄生する肉を「生食」した場合に発症することが報告されています。

ところで、S.fayeri は凍結することにより、失活することが示されています。厚生労働省によれば、下記の条件で凍結処理をする事により、S. fayeri が寄生した馬肉は病原性を示さなくなるとのことです。したがって、一度凍結した後、喫食することにより、食中毒の発生は防止できると思われます。 

馬肉の冷凍処理

  -20℃(中心温度)で48時間以上の保持
  -30℃(中心温度)で36時間以上の保持
  -40℃(中心温度)で18時間以上の保持

 なお、馬刺しを食べて発症した人から、他の人への感染の報告はありません。

また、S.fayeri の生活環は判明しており、その生活環を切断することが根本的な食中毒の予防になると思われます。

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