焼肉と腸管出血性大腸菌による食中毒

2011年12月9日

忘年会・新年会のシーズンとなりました。焼肉、ホルモン焼きを食べる機会も増えることと思われます。ところで、焼肉屋などで腸管出血性大腸菌が原因となる食中毒が頻発しています。

腸管出血性大腸菌は、赤痢菌が産生する志賀毒素類似のベロ毒素を産生し、激しい腹痛、水様性の下痢、血便が特徴です。小児や老人では、溶血性尿毒症や痙攣や意識障害などを起こしやすく、重篤な場合死に至ります。

腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかり、家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。特に家畜の中では、主に牛が腸内に腸管出血性大腸菌を保菌しています。

と畜場では牛をと畜する時は、体表を十分洗浄し、剥皮し内臓を取り出すときは食道と直腸を結策し、胃内容・腸内容が漏出しないようにしています。しかし、処理の工程で胃・腸内容物が直接または使用器具や作業者の手指を介して肉や内臓を汚染することがあるといわれています。そして、この汚染された食品を生または加熱不十分の状態で食する事によって腸管出血性大腸菌に感染、発症します。

 

○予防方法

【1】菌を食べない
レバーや肉などを加熱不十分な状態や生で食べないようにしましょう。

【2】菌を殺す
腸管出血性大腸菌は加熱すると死滅するので、肉や内臓などを調理する際には、中心部まで十分に加熱しましょう。

【3】菌をつけない
食べる箸と焼く箸を使い分けましょう。生肉を扱ったトング、箸などは、焼き上がった肉やサラダなどを食べるときは使わなで、生の肉と焼けたお肉を離して焼きましょう。また、生肉にさわったら手をよく洗うにしましょう。

 

○最後に

高齢者など抵抗力の弱い方は、レバ刺しや食肉の生食は控えましょう。また、中毒にかかった場合には、特に乳幼児やお年寄りは、死亡したり重い症状になることがあるので、周りの方も注意することが重要です。

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