犬の目、耳、鼻の豆知識

2025年9月8日

犬って、よく目が悪いといわれますが、ほんとうでしょうか。
 犬はネコに比べて、目や耳、尻尾を動かして、感情を表現するコミュニケーションが発達していますから、視覚も重要な役割をになっていることは確かです。犬は色盲だと言われてきましたが、実験データによると、紫、青、黄色の三色を見分けることができるようです。しかし、色はわかっても、魚や鳥が特定の色を敵対の色と認識して行動するような認識力があるかどうかは、わかっていません。
 なお、一日のうち、明け方と夕方の薄暗い光が、犬にとってもっとも見やすいのではないかという考えもあり、野生の時代の狩りの習慣の名残りとも言われますが、ハイエナやリカオンなど、日中狩りをする犬科の動物もいますから、一概にそうだとも断定できないようです。


犬は耳がすごく良いとのことですが、どの程度すぐれているのでしょう。
 犬の聴きとれる音の範囲は15~6万Hzといわれ、人の20~2万Hzよりずっと周波数の高い音を聴きとることができるので、人の聴けない超音波領域など、自然界のいろんな音を聴きとっているはずです。もっとも、犬はイルカのように超音波で会話することは確認されていませんし、また、ネコのように、超音波で会話するネズミの声をキャッチして狩りをすることもありません。しかし、犬は、両方の耳にとどく音のちがいから「音源」をさぐる能力にすぐれていて、なにか音がすると、頭を傾けたり、耳を地面と平行にしたりして、どの地点から音がしているかを、ピンポイントの精確さで聴きわけることができます。


犬は人間の何万倍も鼻がいいといいますが、どのくらい嗅覚がすぐれているのでしょうか。
 犬の鼻には、なんと人の10~50倍も広い嗅覚上皮が存在していて、汗のある成分を嗅ぎ取る能力で比べると、犬は人の百万倍~一億倍の能力をもっていることになります。では、犬自身にとって嗅覚やフェロモンはどんな意味があるのでしょうか。まず、雄犬は他のイヌの尿に特別興味をもち、尿中のフェロモンから相手の年齢、性別、力量などを推測することはよく知られていますし、雌犬もとくに発情期、尿を使って周囲の雄に自分の存在を知らせます。また、嗅覚は離乳前の幼い子犬が自分の兄弟を認識する上で大きな役割を果たしています。

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